bunnoichi’s diary

高専から大学編入した野郎の激ユル仙台日記(大フィクション)です

72本目の日記 〜A PERFECT DAY〜

明けましておめでとうございます

「令和6年、明けましておめでとうございます!」と書こうとしていたんだけど、新年早々、おとそ気分ではいられない出来事が次々と起きてしまった。ワシはワシで昨年末からの風邪をこじらせ気味、治ってきたけど。

なんてのを1月の第2週に書いてたけど、そっから卒論が本格化し、日記書く時間、いや、書く気力がなくなり、気づけば2月13日。

連綿と続く日々を、賢明に生き続けるしかないですね。

年が明けてからの約40日間

1日、風邪をこじらせながらも翌日のバイトに備え、群馬を出ようとしていた。16時すぎ、大体荷物も揃え終わった矢先、スマホのアラートが鳴った。

「石川で地震」とだけあった。数分前には石川で震度5強があったらしい。石川の地震で群馬に警報が出るなんて、これはかなりまずいぞと覚悟した。

すぐさま揺れが襲ってきた。長い横揺れ、時間にして2,3分。水槽が波打ち、思わず外に出る。外に出ても感じる気持ちの悪い揺れ。体感としては人生で2番目だった。1番は3.11の時。今回は2021年、22年の冬の地震の時かそれ以上の感覚だった。

家の中に戻ると父親がNHKを点けていた。中継では地震発生直後の映像が繰り返し流れ、一部土埃を上げて建物が崩れる様が映っている。ほどなくして大津波警報が出た。ただごとじゃなくなってしまった。女性アナウンサーが絶叫している。しょうがないけれど、思わずチャンネルを変えてしまった。このアナウンサーを批判する意図はまったくない。

仙台に帰る予定だったけれど、帰る気力を失くしてしまった。両毛線は動いてたけど、JR東日本管内の新幹線は全部止まっているみたい。まあでも、帰らないことには。17時すぎに家を出て駅へ向かう。

接続の影響で遅れてたけど、なんとか両毛線には乗れた。小山に着くと、50分遅れだけど運転再開はしてた。なんとか新幹線に飛び乗り、帰仙した。

...

そこから、年始はバイト漬けだった。仙台は初売りが2日から。病み上がりに鞭打ち、今年も笑顔を振りまく。

そうこうすると、卒論が本格化。年始一発目に実験やろうと思ったけど、装置故障で出来ず。そっから産総研に行くも、何も得られず。最終的に青葉山中央と西澤センターとMNCを行ったり来たりという。自分の精神状態も絶望と希望が行ったり来たりを繰り返し、気づけば日々が楽しくなくなっていた。

28日日曜、WAの打ち上げがあった。バイトが終わり、サイゼリヤで少し腹を満たす。17時に亜門へ。約1ヶ月ぶりにKさんに会い、新年の挨拶をする。子どもたちと楽しんだあと、MさんとNとKさんと肉男で打ち上げ。Mさんのお嬢さんにずっとチューされてた。ほっこりした。

Mさんと別れ、NとKさんととろたくでダベる。24時すぎ、出るも、孤独な家に帰りたくなくてKさんに泣きつく。ガールズバーで愚痴を吐いた後、27時前にとんとんで終わる。11時間半、6軒はしごという凄まじい日だった。Kさんにも申し訳ない。でも元気は出た。

2,3,4日、青葉山に泊まったり泊まらなかったりしながら卒論を書き上げた。うん、言うことは特に無い。

なんだか、光の見えない年明けだった。

A PERFECT DAY

卒論をとりあえず出し終えた8日木曜、休みにして映画を2本見る日にした。訳あって、ディズニ100周年記念のウィッシュのムビチケをもらってたので、まずはそれを見たかった。もう1本は映画館を調べてる最中に気になった作品で、役所広司主演の"PERFECT DAYS"。映画館の作品情報以外ほとんど情報を知らなかったけど、強烈に惹かれた。

本当は大学で作業できたんだけど、しばらく心が枯れていたので、この日は自分に水をやることにした。

ウィッシュ

朝9時すぎ、うちに泊まっていたKKを送り出し、ゆっくりする。10時前、自宅を出、10時半ごろにTOHOシネマズの4スクリーンに着いた。

ウィッシュ

ウィッシュも見たかったけど、それ以上に、同時上映のワンス・アポン・ア・スタジオがすごく見たかった。Disney+で見てたけど、そっちには日本語版がなく、日本人声優ので見れるのは劇場だけだった。

いやー、やっぱいいね。ストーリーとしてはキャラが集合写真撮るだけっていう話だけど、もうオールスターすぎたり、細かいネタいっぱいあったり。好きなシーンはシンデレラと王子様が階段下ってるときに王子の靴が脱げて、それをマックスが持ってっちゃうシーン。めっちゃいい。

んで本編。正直なところ、賛否どっちかで言われれば賛寄りの否だったかなぁ。

この映画を通してディズニーが訴えたいことは大まかには掴めたと思う。この100年にディズニーが大事にしてきたのは、願うこと、努力すること、歌うこと、この3つだと思う。

だけれども、ウィッシュではその手前の小手先の部分で気になる箇所が多すぎた。

まず、作画なんか違和感ない?っての。登場キャラの立ち振舞が全て、いかにもコンピュータプログラムで動いてます感が凄かった。一言で言えば、緩急がつきすぎてる。動作のONとOFFがはっきりしすぎてる。トイ・ストーリーなんかは2,30年前のCGだけど、そっちのほうが全然動きが自然だったと思う。あと作画で言えば、アーシャそばかす多すぎない?も思った、黒人差別とかじゃないからね。いくらなんでも100周年映画の主人公にしちゃ多すぎやしないかって。映画館の大スクリーンで見るとかなりノイズだった。

作画で言えばもう1つあった。作中で100歳の誕生日を迎えるアーシャのおじいちゃん(サビーノ)見た目と喋り若すぎ問題。あのキャラはどう見ても100歳じゃないよ。イケて80が最高値だと思う。だからアーシャが「おじいちゃんが100歳の誕生日を...」って言ってても「え、100歳って言ってるけどあの人でいいんだよね、え、もしかして違う?」と考える時間がいくらかあった。

カールじいさんの空飛ぶ家のカールじいさんは78歳らしい。うん、納得。サビーノの方が見た目カールじいさんより10歳ぐらい若いけど、サビーノのほうが22歳年上っていうね。逆サバ読んでんのか。

作画でもう一個言うと、マグニフィコ実写化するならクリスペプラーだなーって

マグニフィコ王|ウィッシュ|ディズニー公式
今の日本の音楽、特徴は? 作りは複雑だけど─最新チャートを知り尽くすクリス・ペプラーが語る | J-WAVE NEWS
マグニフィコとクリペプラ

www.disney.co.jp

news.j-wave.co.jp

で色々あって、例の裏切り者がマグニフィコ王に化けてアーシャを追い詰めるシーン(飛ばしすぎだろってツッコミは禁止)。魔法の杖を折られ追い詰められたアーシャ、絶体絶命をどうする!!っていう一番のハラハラシーンの出口が、まさかのクマのタックル一発っていう。「え?!これでおしまい?!?!」ちょっとあまりにあっさりしすぎてて面食らってしまった。

んでアーシャはなんなくその場を逃れてマグニフィコ王のもとへ。色々あって双方の魔法、というか「自分の魔法を叶えたい」っていう意地くらべ合戦になって結局アーシャ国民側が勝つんだけど、勝ち負けの判断基準が相当曖昧だった。

この世の数多の勝負事に共通だけど、ヒーロー対ヴィランの構図を取るなら、勝敗の客観的な基準が無きゃダメだろう。敵陣をミサイルで爆破したとか、相手を力でズタボロにしたとか、唯一無二の魔法石で「バルス!」って唱えるとか。でも記憶が確かなら、この勝負の勝敗はどっちの願いが強いかっていう極めて曖昧で、製作側の恣意的な運用がまかり通っちゃう構造だった。なんなら、それまでマグニフィコの最恐の魔法が圧倒的優勢だったのに、めっちゃ願ったら勝ちました〜!!って、それは流石に見てる側も感情移入しづらいでしょ。(ついでに言うとスターが叶えてくれる願いと叶えてくれない願いの基準も曖昧だった。)

もし「強く強く願うことの尊さを表現した」って言えばそれはそれでいいんだけど、だったらその「強く願うこと」をマグニフィコに勝つじゃなくって、アーシャの亡くなったパパにもう一度会えますようにとか、マグニフィコが改心するような状況になりますようにとか、そういう綺麗な感じじゃダメだったのか。

とまあ色々言ってきたけど、いいとこもあった。

やっぱ歌は良いなと思った。ディズニーっぽい楽しい感じの、ワクワクする感じの曲調。主役は生田絵梨花福山雅治だから、耳もめっちゃ気持ちいい。あとエンドロールの星で出来た歴代キャラだったり、作中に散りばめられた小ネタも、100周年っぽさ出てて良かった。

全体を通しては、テンポ重視しすぎて話の骨組みが無くなっちゃったような感じだった。上映時間伸ばしたり歌削ってでもしてもう少し筋を通してほしかった。けど、ディズニーが100年間示してきた「願うこと」「努力すること(作中あんまだったけど)」「歌うこと」の3つは伝わったから良し。

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お昼ごはん

いい天気

昼飯時。普段ならすき家だの半田屋だのだけど、今日はちょっと特別な感じにしたかったから、男臭いのは封印。

時刻は13時過ぎ、昼はイタリアンを食べると決めていた。

チョリソーとポテトのクリームパスタ

前菜、スープ、パン、食後のドリンク付きで1100円。めちゃ良いね。久々に読むのを再開できたFrommの「愛するということ」を食前食後に読みながら楽しんだ。訪れたのはキャンティ・ヴォーノ仙台青葉。

(...こう見るとなんかしゃらくせえことやってんな、コイツ)

キャンティ・ヴォーノ仙台青葉

店を出て、初めて入るレコード屋を回りつつ、iPhone片手にのんびり歩く。

NHK

定禅寺通

時刻は15時過ぎ、フォーラム仙台着。

PERFECT DAYS

15時15分からフォーラム仙台でPERFECT DAYSを見た。これまで、映画館で映画を見るときは全部商業施設の中にある映画館だったから、いわゆる「街の映画館」って初めてだった。

フォーラム仙台

小さなロビー、小さなスクリーン、壁際のスクラップがすごく新鮮だった。

いざ、本編。

PERFECT DAYS

いやー、凄かった...。言葉が出ないとはまさにこのことだなって。

見始めて衝撃だったのが、主人公の平山が殆ど喋らない。多分セリフ纏めたらA4用紙1枚に収まるんじゃないか。それでかつ、大きな事件も出来事もない。平山の過去について一切の説明も回想も無い。東京のトイレ清掃員の男の平凡な日常がただただ流れるだけの映画。

だけども、映像からは確実に日常に対する悦びが伝わってくる。確かに華々しい出来事は一切無いけれど、育てている若木を愛でたり、昼飯時にいつもいるOLと顔を見合わせたり、いつも奇っ怪な踊りをしているホームレスを見て安心したり、決まった銭湯に行って決まった居酒屋で呑んで。

平山は決して喋りはしない。けれど、他者、言い換えれば世界とのつながりを楽しんでいるように見える。平山とニコが自転車で桜橋を走る件で、「つながっているように見えても、つながっていない世界がある。僕のいる世界は、ニコのママのいる世界とは違う」と発している。だからこそ、見かけ上は赤の他人でも、自身とつながった世界にいる人間との木漏れ日のような時間を悦んでいるんじゃないだろうか。

映画終盤、三浦友和演じる友山と影が濃くなるか実験をするシーン。「濃くならないなんて、そんなの、おかしいでしょう」と、平山が信念を表明しているかのように発言する。影とはまさに、その人の存在を証明するものである。この発言からも、他者の存在と自分自身の存在、実存の肯定が根底にあることが分かる。

そんな平山に、陰鬱とした1月の自分とこれからの自分の人生をを肯定された気持ちにもなったし、平山のような物質的でなく文化的・精神的に豊かになりたいとも思った。

他にも、役所広司の演技がヤバすぎる(特にやっぱエンドロール直前)とか色々言いたいことはあるし、今の考察もうまく言葉にできているかわからない。色々考えさせられる映画だったし、逆に「あー理想だなー」と思いながらぼーっとも見れてしまう、不思議な映画だった。

でも、一生見続ける映画になると思う。5年後、10年後、老後に見たら、どんな想いを抱くんだろうか。

 

www.perfectdays-movie.jp


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楽しい夜更かし

17時半頃の北四番丁通り

色々なことを思いながら、二日町、国分町、一番町、あおば通周辺を徘徊していた。結局、19時すぎにやっぱりステーキに入り、たらふくメシを食う。

20時ごろに出てアーケードを歩いてると、Kさんにバッタリ会い、そのまま呑みに連れて行かれた。PIZZA LABOで少しひっかけ、Kさん行きつけのスナックへ。なんやかんやワシも4回目。ママのMさんにも顔を覚えてもらってた。

津軽りんごサワー

Mouton Cade

呑んだり、歌ったり、ママに怒られたりご指導いただいたり。途中いらした山形の方とは働くことについて話をしたけど、その後の下世話な話に全部持ってかれた。

25時半頃、Kさんとバイトの女の子(って言っても年上)と一緒にタクシーに乗り、帰る。

いやー、本当に楽しい一日だったな。

その他の日記

  • 1日未明、毎年恒例のW、Mと集まり。
  • 14日日曜、Sとデート。
  • 14日夜、布団に入りながらYouTubeを堕覧する。地震で妻子4人を失った男性の告別式のニュース映像を見る。直視できなかった。
  • 31日水曜、会議。飲みに連れてってもらう。
  • KK、Sが泊まりに来る。
  • 12日月曜、2度目のPERFECT DAYを見てしまった。
  • 榴岡近辺
  • 榴岡近辺

この間聞いたアルバム

共同じゃない通信(1.1[Mon]-1.)

1.1[Mon]-1.

以下、割愛。

今日の1曲・マシマシ

"光の跡" - 星野源


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4日木曜、恥ずかしながら今更聴いた。90年代後半のR&Bみたい。もう、鬼リピ。やっぱり自分はPop Virusに感染しているんだな。

"SOULSOUP" - Official髭男dism


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SPY FAMILY繋がり。元はHOT 100かなにかのBGMで聞いて「うわヤバ、ヒゲダンみたい」と思ったらヒゲダンだった。さすが。

見たこと無いけどディズニープラスで見れるらしいから見てみたい。

"Polka dots and moonbeams" - コシミハル


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1月の第2週、ふとコシミハルのカバーを聞きたくなった。24時前、クリスマスの未撤去の電飾が煌めく閑散としたアーケードを歩く。なんとも心が洗われる。今月のリピ曲。

jazztokyo.org

"希望という名の光" - 山下達郎


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"We Did It Again" - Soft Machine


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"Perfect Day" - Lou Reed


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"Feeling Good" - Nina Simone


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"青い魚" - 金延幸子


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"Everybody Has A Dream" - Billy Joel


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"At Last" - Etta James


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"Since I Fall for You" - Ramsay Lewis Trio


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"楽しい夜更かし" - 大瀧詠一


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"Father Cannot Yell" - Can


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追悼 ダモ鈴木

"Sweet Jane (Live)" - Lou Reed


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"暑中見舞い" - 工藤裕次郎


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"祝日" - カネコアヤノ


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"太陽のかけら" - orange pekoe


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"#それな" - アツキタケトモ


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"Superball" - TOMOO


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"ショコラカタブラ" - Ado


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"ビーバー" - MIZ


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"Nulbarich" - Disco Prank feat. Leo Uchida


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活動休止発表、アルバリリース直後で衝撃だった。

"The World" - Benny Sings


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"Mess It Up (Purple Disco Machine Remix)" - The Rolling Stones & Purple Disco Machine 


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"bad idea right?" - Olivia Rodrigo


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"No Problem feat. Lil Wayne & 2 Chainz" - Chance the Rapper


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"JoJo" - Boz Scaggs


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"Trouble in Mind" - Nina Simone


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"ほほえみの鐘" - 西村由紀江


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"Grapefruit Moon" - Tom Waits


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"Midnight Lullaby" - Tom Waits


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明日へ向けて

がんばるんば。